サイトの応答障害に関する性能テスト(負荷テスト)を実施 定量かつ客観的な根拠による対策が可能に

株式会社バイク王&カンパニー

バイクライフのあらゆるサービスと、バイクにつながる周辺事業を展開し、バイクライフを超えたライフデザイン企業

業種 卸売・小売

従業員数500~999名

利用サービス 性能テスト

コンタクトセンター デジタルマーケティンググループ マネージャー
大石和生様
経営戦略部門 情報システムグループ マネージャー 小熊和弥様

株式会社バイク王&カンパニー

  • サイトリニューアルをきっかけに、サイトの一部で応答障害が発生。対策にあたり第三者による客観的な確証を得たいという思いから性能テストを実施
  • 深夜帯でのテスト対応、外部ベンダーとのミーティング参加やテスト結果の詳細な説明など随所で見られたテストエンジニアの柔軟性の高い対応を評価
  • 今回の性能テストを通して、今後リリース時には第三者検証サービスを提供しているテスト会社からの定量的な「お墨付き」が必須、という社内意識の変化も

二輪自動車買取・販売の大手、バイク王&カンパニー様。同社のWEBサイト「バイク王」は、昨今のバイクブームの追い風を受け、ユーザーから多大な人気を集めています。しかし、2021年にサイトに応答障害が発生。当社からは「性能テスト」のご提供による問題解決の支援をさせていただきました。 今回はコンタクトセンター デジタルマーケティンググループ マネージャーの大石和生様、経営戦略部門 情報システムグループ マネージャーの小熊和弥様に、ご依頼いただいた経緯や利用後の感想をお聞きしました。

サイトリニューアルをきっかけに応答障害が発生

まずはじめに、貴社の事業内容について教えてください。

大石様:バイクの買取・販売を主要事業とし、その他点検・修理やレンタルバイク事業など、バイクに関する総合的なサービスを展開しています。15年ほど前から小売事業にも注力しており、現在全国にバイク王の店舗が広がっています。

ユーザーはどのようなシーンでサイトを利用されていますか?

大石様:買取の場合は、結婚や出産、就職、引っ越しなど、ライフステージの変化によってバイクを手放すことを検討され、ご依頼をいただくケースが多いです。

販売の場合は、ほしいバイクがある店舗やバイクの価格など、中古車の在庫情報を知りたいユーザーに多くご利用いただいています。

最近はコロナ禍で、一人で楽しめる趣味としてバイクの人気がますます高まっています。一方、新車は半導体の問題でなかなか手に入りづらいこともあって、中古市場は非常に活発な状況です。

今回当社にご依頼いただいたのは、サイトの性能テストでした。ご依頼のきっかけは何ですか?

大石様:サイトリニューアルをきっかけに、応答障害が発生するようになったことです。

リニューアルは2021年8月に実施しており、その目的の一つがリアルタイムに在庫情報を表示すること。これまでは1時間に1度在庫情報が更新される形を取っており、稀に「サイト上では在庫あり、となっていたが店舗に問い合わせるとすでに他のお客様がご購入されていた」といったこともありました。そこでリアルタイムに基幹システムと連動して在庫情報をユーザーにお伝えすることで、より満足度を高めたいという狙いでした。

具体的にどのような障害が発生していたのですか?

大石様:サイトリニューアルから1カ月ほど経ってから、在庫検索ができない、在庫検索のレスポンスが遅延するといった状況が発生していました。厄介だったのは、当時はっきりとした原因が分からなかったことです。基幹システムの在庫情報とサイトの連携部分が原因だろう、とは当たりをつけていたのですが、リニューアルから1カ月間は正常に稼働していましたし、その後に発生した障害も何をきっかけに起こるのかが全くわかりませんでした。また、サーバーの再起動などを行えば一時的に復旧することもありました。しかし、復旧からしばらく正常に稼働していると思ったらまた発生する…といった事態が続きました。

小熊様:さらに障害が発生するのは、アクセスが集中する夕方から夜間の時間帯や休日でした。ちょうど業務が終わった頃に「在庫検索ができません」と報告されることも多く、対応には苦労しました。在庫情報というユーザーの関心が高い部分で不具合が出ていたので、社内でも重く受け止められていました。

必要だったのは、第三者による客観的な確証

最終的に外部の企業に性能テストを依頼しようと考えた理由はなんでしょうか?

小熊様:開発ベンダーを交えて原因を予想し、まずはサーバー増強とトップページに出していた在庫台数の表示を減らすという負荷を軽減する対策も立てましたが、やはり第三者による客観的な検証をしてもらい、確証を得たいと考えました。特に知りたかったのは「どれくらいのアクセス負荷まで耐えられるのか」ということ。実施予定の対策で十分なのか、あるいは一時的なアクセス増を見込んだ場合、さらなる対策が必要なのか、ということです。

これまで性能テストは自社内では実施していたので、外部の企業に依頼するのは初めてでした。何社か候補を選定し「企業規模と実績の観点から一番安心してお任せできそうだ」と最終的にAGESTさんに依頼させていただくことになりました。早急にテストを実施したかったので、上場企業であるデジタルハーツホールディングスグループのAGESTさんであれば、社内の理解もスムーズに得られると考えました。また、テストをしていただくためには当社の様々な情報を共有することになるため、企業規模と実績の点で安心できる、というのは大きな決め手になりました。

性能テストは2回に分けて実施させていただきました。それぞれどのような意図があったのでしょうか?

大石様:2021年12月に実施した1回目のテストでは、負荷を掛けてこれまで発生していた応答障害を再現していただき、サーバー増強とトップページの表示変更の対策によって、どの程度軽減されるか検証してもらいました。

テストの結果、対策をした環境では在庫検索などはできるが応答速度が落ちることがある、ということが判明。今後のアクセス状況を考えると、さらに対策が必要そうであることが分かりました。

小熊様:その後実施した対策では、これまで複雑なクエリを基幹システムに送って在庫情報を表示させていたものを、あらかじめ在庫データを基幹システム上で生成し、それをサイトで読み込むシンプルな方法に変更しました。

2回目のテストは翌年2月に実施。テスト内容はデータベース環境を改善した上で限界まで負荷を掛けて、応答速度が遅くなる水準を測ることにしました。その結果、応答速度が遅くなる負荷の値も、想定されるアクセス状況よりも相当に高かったのでこれで当面は問題ないだろう、という安心感のある判断を行うことができました。

定量的な”お墨付き”が必要だと社内意識が変化

当社の提供内容について、良かったと感じられたのはどのような点でしょうか?

大石様:当初の見込み通り、豊富な実績がある会社なので全体を通して安心してお任せすることができました。

特に良かったと感じたところでいうと、随所で見られた対応の柔軟性の高さです。

例えば、1回目のテスト後、対応いただいたAGESTのエンジニアの方に当社と外部ベンダー間のミーティングに参加いただき、テスト結果の詳細な報告や説明をいただきました。レポートだけでなく、私たちの要望に沿って丁寧に対応いただけたのでとても良かったです。

また、障害の発生がリニューアル後だったので、負荷を掛けたテストを本番環境で実施する必要がありました。機会損失を軽減するためにも、サイトをメンテナンス中にした上で深夜帯にテストを行ってもらったので、大変助かりました。

その他にも、テストエンジニアの方と直接やり取りをしながらテストを実施できたのも、良いと感じたポイントです。レスポンスが早く終始スムーズに連絡・相談をすることができましたし、テスト実施中に「このテストも一緒にやっておいたほうがいいですね」と提案いただき、その場で追加実施してもらったこともありました。

最後に、ご利用いただいた感想をお聞かせください。

小熊様:先ほどお話したとおり、「自分のほしいバイクを探したい」と思っているユーザーに満足してもらうよう、十分な応答性能を確保することの重要性を改めて実感しました。

また、今回の対応を通じて、社内の意識が変わったように思います。今後リリース時には、想定される負荷の下で十分性能が発揮できるかどうか、必ず第三者検証サービスを提供しているテスト会社からのお墨付きを貰わないといけない、という意識に変化しました。

今回のようなケースでは、「想定される負荷で問題なく性能が発揮されるか・障害は発生しないか」についてテストしたり、耐えられる負荷の限界を見極めるのが、自分たちだけでは難しい場合もあります。AGESTに依頼する前、自分たちでも対策は実施したのですが、実施後にまた障害が発生するといったことも起き、こういった問題の難しさを痛感しました。

今回は専門家による定量的なレポートとアドバイスをいただきながら解消の打ち手について判断ができたことが、問題解決の大きな要因だったと思っています。

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