テスト設計から実施をワンストップで提供し、QA体制の立て直し・不具合の未然防止に貢献

株式会社HataLuck and Person

店舗マネジメントツール「はたLuck®」の開発と販売、店舗サービス業の店舗の業務効率化コンサルティング

業種 情報通信・IT

従業員数500名未満

利用サービス ソフトウェアテスト

プロダクトユニット プロダクトデザイングループ マネージャー
大工峻平様
プロダクトユニット プロダクトデザイングループ 生出和紀様

株式会社HataLuck and Person

  • アプリの機能拡充やユーザー数の増加に伴いQA体制の課題に直面
  • 不具合への対応に多くの工数が割かれ、お客様へもご迷惑を…
  • ソフトウェアテストサービスの導入により、開発チーム内で不具合を未然に防ぐ習慣が定着、リリースサイクルが安定しサービス品質が向上

店舗とシフトワーカーをつなぐDXアプリ「はたLuck®」を手掛けているHataLuck and Person様。アプリ一つで必要な店舗業務ができることから店舗運営事業者から注目を集めているサービスです。2021年から2022年にかけてユーザーの増加とともにQA(品質保証)に対する課題感が高まったことから、当社の「ソフトウェアテスト」サービスを導入。現在も継続してご利用いただく中、今回はプロダクトユニット プロダクトデザイングループ マネージャー 大工峻平様、プロダクトユニット プロダクトデザイングループ 生出和紀様に、ご依頼いただいた経緯やサービスの品質、得られた効果についてお聞きしました。

店舗サービス業に革新を提供するDXアプリ

はじめに、貴社の事業内容について教えてください。

大工様:当社は飲食店・アパレル等の店舗サービス業に特化した業務アプリ「はたLuck®」を開発・提供しています。特徴は必要な機能を一つのIDで使用できるオールインワンアプリであること。シフト管理・情報共有・チャット・マニュアル閲覧に加えて、仕事仲間に感謝の気持ちを伝える「星を贈る」機能なども盛り込んでいます。業界事情を考慮した料金体系や導入後も営業・カスタマーチームが伴走するフォロー体制が他社にはない強みだと自負しています。現在、飲食店やスーパーマーケット、ドラッグストア、アミューズメント施設、ショッピングモールなど、幅広い業態でご利用いただいています。「『はたらく』を楽しく」のミッションのもと、シフトワーカーの働きがいを向上し、店舗の生産性を高めることが当社の使命です。

ユーザー数の増加とともにQA体制の課題に直面

当社のソフトウェアテストをご利用いただく前はどのようなQA体制でしたか?

大工様:担当スタッフ1名が、週3日の稼働で対応している状況でした。リリース当初は今と比べて「はたLuck®」の機能が少なかったので十分対応できていましたが、機能の拡充・ユーザーの増加に伴いカバーしきれない状況になっていきました。

生出様:徐々に開発範囲を広げる中、2021年4月から段階的に大型商業施設に「はたLuck®」が導入され、1年間でID数が約5倍に膨れ上がりました。それに比例して不具合の発生頻度も高くなり、1名体制での限界を感じたため、見直しを検討し始めました。

特に課題感を持ったのはどのような点でしたか?

大工様:決定的なものがあったというよりも、事前に防げる不具合に気付けない状況に課題感を持ちました。営業サイドにお客様から報告が入って、プロダクトサイドに伝える。対応したらまた営業サイドに伝えて、お客様に連絡。この一連の動きには本当に多くの時間や工数が割かれていたのはもちろん、お客様にもご迷惑をおかけすることが多くなっていた状況でした。

課題解消のためにまず行ったのが、リリースの定期化です。それまでは不定期に新機能などをリリースしていたのですが、2週間に1回を目安にリリースすることに決定。開発スケジュールを整えることで、管理体制の確立を目指しました。

とはいえQA人材の不足は依然として変わらないので、何とかして人員を拡充すべきだと考えていました。

サービス導入のきっかけはクチコミ、自発的な取り組み姿勢が決め手に

そういった状況で当社にご相談いただいたわけですが、きっかけは何だったのでしょうか?

大工様:前職のつながりで知人に相談してみたところ、ちょうど知人の会社もAGESTさんに依頼し始めたところだと聞きました。さらに同じ頃に入社してきたスタッフも前職でAGESTさんにお世話になっていたと聞いて、お声掛けすることにしました。 

同時期にQAエンジニアの社員採用も進めていましたが、残念ながら求める人材と出会うことができませんでした。テストの実績がある方はいても、テスト全体を設計・管理できる人材が見つからず、「それなら、専門性のある会社に頼んだほうが確実だ」と判断しました。

テスト専門会社を選定する上で外せない条件はありましたか?

大工様:ちょうど2週間に1回のリリースを始めた頃だったので、そのサイクルは継続したかったですね。AGESTさんからはその条件を踏まえた上で、「はたLuck®」全体のソフトウェア(品質)テストのトライアルの実施をご提案いただきました。トライアルでシステム全体を理解した後、同じメンバーで定常稼働にスライドする方向に決まりました。

他社はご検討されましたか?

大工様:他にも何社かテスト専門会社のリストアップは行いましたが、まずはAGESTさんに依頼してみようと。スピーディーにQA体制を再構築したかったですし、加えて2週間に1回のリリースサイクルに現実味があるのかを知りたかった、というのもあります。今後も継続して依頼するかどうかはトライアルの結果で判断してみようと、ある意味「お試し期間」という心積もりでした。

トライアルを実施したのが2022年1月頃。良いと感じたポイントがありましたら教えてください。

大工様:仕様通りに動くかどうかを確認できたのはもちろんですが、システム全体のチェック資料をアップデートしていただいたのは助かりました。これまでは1名体制だったこともあり更新が不十分で、新機能の仕様も抜けていたりテスト項目もあやふやな状態でした。トライアルと同時進行で追記・修正していただけたのでありがたかったです。

トライアル実施後、そのまま定常稼働に移行しましたが、継続的に当社にご依頼いただくことになった決め手は何だったのでしょうか?

大工様:素早く能動的なコミュニケーションですね。例えばチェック資料に不備があってもそこで立ち止まらず、自発的に当社の社内資料を読み解いていただき、テスト内容を打診いただけるので安心できました。これならリリースサイクルの定期化を実現できると思えたことが大きかったです。

1言えば10わかる理解力でスムーズに進行

現在の体制について教えてください。

大工様:AGESTさんには当社専属のチームを組んでいただき、「はたLuck®」の開発プロジェクトとこれとは別のプロジェクトの2つをサポートしていただいています。テスト設計者が1名、テストリーダーが1名、「はたLuck®」のテストエンジニアが2名、別プロジェクトのテストエンジニアが2名の計6名体制でテスト設計からテスト実施までお願いしています。

当社にご依頼する上で特にご要望されたことは何でしたか?

大工様:具体性のあるテスト設計書の作成です。2週間に1回のリリースサイクルを軌道に乗せるにはスムーズなテスト実施が不可欠であり、社内でテストを実施している時は、リリース内容からテストするべき箇所に優先度を付けて判断することに課題感を持っていました。AGESTさんはテストにかける時間配分や新機能で必要なテストを根拠も含めて書いてくださったのでわかりやすかったです。

当社に依頼して良いと感じたことがありましたら教えてください。

大工様:誰が見てもわかるQAチケットの記載の仕方は、さすがプロだと感じました。再現手順を画面キャプチャ付きで解説してくださり、改修作業の進み具合も良くなりました。キャッチアップが速いのもありがたいです。概要をお伝えすれば、別途説明が必要な項目も「これはこういうことですよね?」とすぐ理解してくださるし、その精度も高いので驚きました。

生出様:例えば、ある画面にCSVファイルの取り込み機能を実装する際も、他の画面を参考に意図を汲み取っていただき対応してくれました。さらに、全く新しい機能についても、説明資料をお渡しすれば説明しなくても汲み取ってくださる。「1言えば10わかるとはこのことか!」と驚きました。

リリースサイクルの安定化、不具合を未然に防ぐ習慣が定着

当社のサービスをご利用いただいてから1年が経とうとしています。改めて現在の状況を教えてください。

大工様:おかげさまで影響が大きい不具合は無くなりました。それは営業などビジネスサイドのメンバーも感じていると思います。当初の目的だった2週間のリリースサイクルも安定しましたし、開発チーム内にもスケジュールを逆算し開発を進める習慣ができました。以前は2週間の期間内に詰め込む癖があったのですが、今ではリリース日を踏まえてテスト完了日や開発の締め日を設定するようになりました。現在も継続してユーザーが増えていますが、安定してテストやリリースができるようになったと思いますね。

また不具合を以前に比べて予測しやすくなり、事前に予測を立てて未然に防ぐ習慣につなげられるようになりました。

当社を評価しているポイントがありましたら教えてください。

大工様:とにかく律儀だと思いました。始業・終業メールが毎回定時ぴったりなので感心しています。

生出様:レスポンスもとにかく早いです。連絡用のチャットツールと仕様説明用の資料管理ツールを2つを使っているのですが、どちらのメッセージに対しても素早く反応していただけるので滞ることがありません。逆にこちらが待たせてしまって申し訳ないくらいです。仕様説明用のツールはAGESTさんにとって初めてだったようですが、難なく使っていただいています。

大工様:別途ツールを導入することもなく、当社のやり方に合わせてくれるので助かります。外注先というよりは、同じチームという感覚が強いです。

生出様:一緒にやり方を模索するスタンスであるだけでなく、より良くなるためのご提案もしていただけるので心強いです。

ソフトウェアテストによる負のループからの脱却が、結果的に業務全体のコスト削減に

現時点でさらに良くしたい部分や課題はありますか?

大工様:一つは現体制の精度を上げること、もう一つは並行しているプロジェクトとの両立です。特に後者は懸念事項で、まだテスト段階なので「はたLuck®」と同じ体制になるのは先の話ですが、本リリース後はチェック項目が増えるので私たちだけでは追いつかないなと。そこにもAGESTさんのお力を借りたいと思っています。

生出様:当社が利用している「ソフトウェアテスト」は、AGESTさんにとって提供サービスのほんの一部。私たちの課題とAGESTさんの他のサービスがマッチできればと思っています。今後はエンジニアリング領域の部分もご相談できないかと社内で検討中です。

最後に、以前のHataLuck and Person様のようにソフトウェアテストでお悩みの企業に向けてメッセージをいただけますでしょうか。

大工様:必要と思ったその時に行うべきだと思います。予算捻出がハードルになって踏み切れないうちに、他の不具合が生じる可能性もあります。そうなると、本来受けたい支援が受けられなくなることもあるので、そこは予算を絞り過ぎずに踏み切ったほうが良いと思います。スタートアップの段階なら絶対に行ったほうが良いと思います。

生出様:AGESTさんの参画前は、リリース渋滞が起きていました。開発ラインは広がっているのに人員を増やさない。その結果、テストに手が回らずリリースできない。加えて品質も下がって不具合が発生する負のループでした。それがAGESTさんにお任せしたことで解消できましたし、結果的には業務コストを抑えられました。納得感が高いので、自信を持ってAGESTさんをおすすめします。

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