急成長の裏で課題となったQA体制。ソフトウェアテスト支援の導入で第三者視点を取り入れた体制への立て直しに成功

株式会社ワイヤードビーンズ

デジタルビジネス事業 デジタルコマース領域における、開発、保守、運用サービスの提供 デジタルマーケティング、ブランド運営

業種 情報通信・IT

従業員数500名未満

利用サービス ソフトウェアテスト

デジタルビジネス事業部デベロップメントグループ グループマネージャー 児玉和仁様

株式会社ワイヤードビーンズ

  • 多くの開発案件が並行しQA体制が逼迫、品質を確保しながら効率的にテストを進めるための仕組みづくりの必要性を感じていた
  • 専門会社ならではのテスト設計・実施支援でQA体制を再構築
  • 第三者の視点を取り入れたQA体制が整い、テスト品質の向上を実感

営業管理・顧客管理・ECサイトのDX化をサポートしているワイヤードビーンズ様。デジタル事業を通して地域経済活性化や日本文化の継承に貢献しています。ECサイトのQA体制に課題感を持ったことを機に、体制強化のため当社の「ソフトウェアテスト」サービスを2018年から導入いただきました。今回はデジタルビジネス事業部デベロップメントグループ グループマネージャーの児玉和仁様に、利用に至るまでの経緯やサービスの品質、ご利用後の効果などについてお聞きしました。

仙台から幅広い企業のDX化を支援

貴社の事業内容を教えてください。

児玉様:当社は仙台に本社を構えるデジタル事業会社です。代表の三輪が「生まれ育った仙台に、世界に通用する企業を作りたい」と、2009年に創業しました。現在は、デジタルソリューション事業とデジタルマーケティング事業を展開しています。デジタルソリューション事業ではECサイトの構築・保守や営業管理、顧客管理を行い、デジタルマーケティング事業では「デジタル×ものづくり」をコンセプトに日本各地の職人が手掛けた製品を販売するECサイトを運営しています。

取引先の業界は化粧品やアパレル、ジュエリーなど多岐にわたります。海外展開している大手企業から仙台市内の企業まで幅広くご支援しています。

多数の開発案件が並行することで生じたQA体制の課題感

当社のソフトウェアテストをご利用いただく前はどのような状況でしたか?

児玉様:一般的な開発工程と変わらず、ECサイトの設計・開発、次にテストケースを作成して実施という順で行っていました。通常は特に問題なく進行していましたが、開発案件が何件も重なると人的リソースが逼迫し、テストに十分な工数をかけられなくなることに課題感を持っていました。これはECサイト構築が、ローンチ後もしばらくは”売れるサイト”になるよう、定期的に機能追加を続けるからです。そのような状況になる度にリソース不足に悩んでいました。

特にリソースで課題感を持ったのはどのような部分でしたか?

児玉様:QA体制です。案件が続くと、どうしてもテストを行うこと自体が目的になってしまうこともありました。品質を十分に担保することを念頭に置きながら、効率良くテストを進められる仕組みづくりの必要性を感じていました。

テスト分野での高い専門性と豊富な実績が決め手に

当社にご相談した経緯を教えてください。

児玉様:きっかけは数年前、あるECサイトに比較的大きい障害が発生したことです。これを機に再発防止はもちろん、課題感を持っていたQA体制の強化やテストの品質改善に注力するべく、テストの専門会社へ依頼を検討することに。当時、既にAGESTさんには人材支援サービスでお力をお借りしていることに加え、テスト全般を手掛けていると聞いていたのでご相談させていただきました。

当社へ依頼しようと思った決め手はどういったところでしたか? 

児玉様:高い専門性と安心感のある実績です。当時は開発案件が集中していたため、社内でQAメンバーの増員や知見を積み上げることが厳しい状況でした。社内だけでQAの品質改善を行うよりも、テストに精通しているAGESTさんと一緒に体制を再構築してもらうことが得策だと思いました。当社の状況を理解していただいていたこともご依頼した決め手の一つです。 

専門会社ならではのテスト支援によって、ECサイトのプロジェクト管理・パフォーマンスが向上

ソフトウェアテストご利用時の体制を教えてください。

児玉様:テストの設計者、リーダー、テスター3名の計5名の方に参画いただきました。当社からお渡ししたテスト観点と開発の設計書に新たなテスト観点を追加いただき、こちらのフィードバックをもとにテスト設計書を作成、実施という流れで行っていただきました。

ECサイトは初期構築の段階だとテスト内容は大体決まっていますが、カスタマイズしていくとテスト項目も変わってきます。ポイント制度や会員ランク、決済手段などサイトごとに機能が異なるため、さまざまな観点のテストが必要です。サイトが複雑になればなるほどテストは増えますし、規模が大きいサイトだと数千単位でテストケースを作成します。当時は相当数のテストを行っていただき、大変助かりました。

数千単位のテストを実施する上で、当社の対応はいかがでしたか?

児玉様:作業量に応じて人員を増やしてくださったので、滞ることなくテストを実施できました。スケジュールの組み方も申し分なかったです。工数が多い場合はあらかじめ伝えてくださるだけでなく、「このやり方にすれば期日までに間に合います」と代替案もご提案いただくなど総じてフレキシブルに対応してくださいました。また、常にレスポンスが迅速で円滑にコミュニケーションをとれました。

当社をご評価いただいているポイントがありましたら教えてください。

児玉様:全体的に報告が丁寧かつ的確で、さすがプロだと感心しました。毎日の日報もそうですが、特に良かったのは阻害要因表です。修正しなければ次のテストに進められないバグを一覧にしたもので、修正の優先度も書いてありました。プロジェクト全体の進捗管理シートもメンバーの動きや状況を把握でき、業務を問題なく進められました。問題点とタスクを可視化できたので、当時プロジェクトマネージャーだった私も全体を管理する上で非常にわかりやすかったです。

充実したテスト環境も大変助かりました。それまで当社にはテストに必要なスマートフォンなどの機材がなく、個人のスマートフォンなどを使っており、テストに使用できる機材が限られていました。AGESTさんは機材を豊富にお持ちで、ブラウザ一つにしてもさまざまな種類で検証してくれたので安心して任せられました。

テスト品質の改善を実感、第三者視点を取り入れたQA体制が自信に

現在のQA体制はいかがでしょうか?

児玉様:おかげさまで、テスト品質は依頼前よりも向上し、安心して任せられるQA体制も整いました。AGESTさんの手法からソフトウェアテストの知見を蓄積できたと思います。その中でも一番の収穫は、QAに第三者の視点を取り入れたことです。AGESTさんから客観的なご意見をいただいて、その重要性を実感しました。

現在は、ECサイトの初期構築後に別プロジェクトのメンバーが第三者としてテストを実施しています。同じプロジェクトのメンバーが行うと固定概念や先入観が入ってしまうからです。さらに、品質管理責任者もプロジェクトを横断してレビューするようになったので、品質を担保できていると思います。お客様にQA体制を自信を持って話せるようになったので、商談時の安心感や信頼感が増したように感じます。

不確実性が高くスピードが重視される状況下での品質の壁・難局を乗り越える秘訣は、プロの力を借りること

現在は当社の人材支援サービスで開発エンジニアの提供をさせて頂いておりますが、今後更に当社が貢献できる部分はありますか?

児玉様:新たにご依頼するとすれば、ニーズが高まっているサイバーセキュリティ診断などセキュリティ面でお力をお借りしたいです。お客様によってはあらかじめサイバーセキュリティ診断を行う会社が決まっていることもありますが、当社から提案する場合もあります。セキュリティ面でも協力できれば、より大きなシナジーが生まれるかもしれませんね。

最後に、以前のワイヤードビーンズ様のように、QA体制やテスト品質でお悩みの企業に向けてメッセージをいただけますでしょうか?

児玉様:おそらくベンチャー企業や成長拡大期の企業は、スピード重視で突き進むと思いますが、どこかのタイミングで必ず壁にぶつかると思います。そうなると、自社で対応できる範囲は限られてしまいます。ソフトウェアテストを利用した当時の当社がまさにそうでした。自力でどうにもならないときは無理に突破しようとせず、その領域のプロフェッショナルに力を借りるのが一番良いと思います。当社も実際にAGESTさんにご依頼して、難しい局面を乗り越えられました。以前の当社のように困っている企業様は、まずAGESTさんに相談してほしいと思います。

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